【簡単5ステップ】万年筆のメンテナンス方法を初心者向けに詳細解説

「万年筆って手入れが大変って聞いたけど」
「メンテナンスのために、何をそろえればいいの?」

万年筆をはじめようとしたとき、心配になりますよね。

そこでこの記事では「万年筆に興味がある」「万年筆を買ったけどメンテナンス方法が分からない」という初心者の方向けに、家にあるものだけを使って誰でも簡単にメンテナンスができるよう、ステップに分けて丁寧に説明します

この記事を読むと分かること
・メンテナンスの必要性、メリット
・メンテナンスするために準備するもの
・具体的なステップごとのメンテナンス手順

ちゃくま

この記事さえ見れば万年筆のメンテナンスは完璧となるように、写真多めで丁寧に解説しているよ!

目次

なぜメンテナンスが必要なの?メンテナンスで得られる5つのメリット

万年筆はその名の通り一生使い続けられる筆記具です。しかし適切な手入れをしないと万年筆の性能が落ち、最終的には故障してしまうかもしれません

メンテナンスによって得られるメリットはいくつもあります。代表的なものは以下の5つです

① 筆記性能の維持

万年筆は長期間使用するとインクが詰まったり、ペン先が摩耗したりします。メンテナンスをすることによってこれらの問題を予防し、スムーズな書き心地を保つことができます

万年筆内部に残ったインクを取り除くことで、インクの出が滑らかになり書き味が復活します

② 寿命を延ばす

万年筆の内部にインクがたまったまま置いておくと、そのインクが腐食を引き起こすことがあります。腐食はインクの出の不良や、新しく入れたインクの質を低下させる原因にもなります。

定期的なメンテナンスをするとこれらの腐食を引き起こす前に洗浄することができます。これにより万年筆内部やペン先の劣化を防ぎ、より長い間使うことができます

③ インクの劣化の防止

インクが万年筆内部に長期間残るとインクが固まったり、色が変色したりすることがあります。定期的にインクを交換したりペンを洗浄することで、インクの発色も安定します

④ 見た目の美しさを保つ

万年筆は外観の美しさも重要です。キレイなお気に入りの万年筆を見ると、文字をかくモチベーションも上がりますよね。

インクなどの汚れがたまると外見が損なわれることがありますが、洗浄や拭き取りをすることで美しい状態を保つことができます

⑤ トラブルの予防

万年筆は使い続けるとインク漏れやペン先の引っかかりなど、予期せぬトラブルが発生することがあります。

定期的にメンテナンスを行うことで、こうしたトラブルを早期に発見し、未然に防ぐことができます。例えば、ペン先の摩耗や亀裂、インクの詰まりを確認することで、必要な修理や交換が可能となります

ちゃくま

メンテナンスをするといいことづくしだね!

メンテナンスの基礎:万年筆の洗浄は年に数回でOK

日々のメンテナンス(=毎日使うこと!)

万年筆が書けなくなる理由で最も多いのは、インクが万年筆の内部で固まってしまうことです。

毎日少しでも書くと万年筆の中のインクが流れてインクが固まることを防ぐことができます。その意味で、万年筆の一番のメンテナンスは、日々の筆記具として毎日使うことです。

また、毎日使っていると万年筆のちょっとした不調にも気づくことができます。

「なんか最近インクの出が悪いな」
「キャップの締まりが悪くなってきた気がする」

そのような不調は万年筆からのサインかもしれません。お気に入りの長く愛用するためにも、不調があったら早めの洗浄や、専門家への相談に行きましょう。

定期的なメンテナンス(=洗浄)

万年筆を毎日使っていたとしても、インクの出が少しずつ悪くなっていきます。またどうしても万年筆を毎日使い続けることが難しい場合もあります。

そのため、日々のメンテナンスとは別に、定期的に万年筆を洗浄をしてあげることが重要です。これによりインクの出を復活させ、万年筆を長く使うことができます。

洗浄をする頻度は2~3月に一回くらいが目安ですが、万年筆の調子が悪くなってきたり長期間使わなかった場合には、その都度洗浄をした方がベターです

万年筆はインクの補充のしかたによって3種類に分けられ、洗浄の仕方はその種類によって少し異なります。

  • カートリッジ式 … カートリッジと呼ばれる別売りのインクを万年筆に挿して使う方式
  • コンバーター式 … コンバーターを使ってボトルからインクを吸入する方式
  • 吸入式 … 万年筆のお尻を回転させてインクを吸入して、万年筆の内部にインクを貯める方式
ちゃくま

ここからは3つのインク補充方式それぞれについて、洗浄方法を解説していくよ!

万年筆の洗浄方法(1.カートリッジ式の場合)

カートリッジは一個ずつの使い切りタイプとなるので、カートリッジを使い切ったタイミングや、インクの色を変えるときに洗浄をするのがちょうどよいです。

ステップ① 家にあるもので道具をそろえる

必要なものは、以下の3つです。

カートリッジ式万年筆洗浄に必要なもの

柔らかい布、又は紙(ティッシュでもOK)
ある程度の深さのある容器(水を入れてペン先が隠れる程度であればOK)
(ぬるま湯の方がベター)

布と容器は万年筆のインクの色移りがする可能性あります。汚れてもよいものを用意しましょう

固まったインクは温度が高い方が取れやすいため、水よりもぬるま湯がベターです。ただし熱湯は万年筆を痛める可能性があるのでやめましょう

ステップ② カートリッジを外す

首軸からカートリッジを取り外します。

力を入れすぎるとカートリッジが外れた拍子にインクが飛び散ることがあるので、少しずつ力をいれながらゆっくりと外しましょう。

カートリッジは再使用はあまりしない方がよいため、洗浄前にインクは使い切ってしまいましょう。もしくは、インクを使い終わったタイミングで洗浄を行うとよいです。

ステップ③ 水ですすぐ

首軸のうちカートリッジが差し込みまれていた方から水道水の水を注ぎ入れます。これによってペン先の内部に残っているインクを落とします。

水道水でもよいですが、冷たい水だとインクがとけにくいためぬるま湯が理想です。

インクが思った以上に飛び散るので、周りに注意しましょう。

ステップ④ 水につける

コップの中に水道水(できればぬるま湯)を入れます。先ほど水ですすいだペン先と首軸を水を張った容器に入れ、一晩ほど時間をおきます。

一晩おくことで、万年筆の内部にこびりついたインクを溶かすことができます。汚れがひどい場合は水を取り替えて数日おいておきましょう。

水から取り出したときにペン先から垂れる水がほぼ透明になったら、このステップは完了です。

ステップ⑤ 布で拭く

布やティッシュペーパーなどのやわらかい紙で、ペン先の水をやさしく拭き取ります。このときペン先を強く押しすぎたりしないように気をつけましょう。

ペン先からにじむ水がほぼ透明であれば洗浄完了です。もしまだインクの色が濃いようであれば、ステップ④の水のつけ置きからもう一度行いましょう。

万年筆の洗浄方法(2.コンバーター式の場合)

コンバータ式の場合も、中のインクを使い切ったタイミングで洗浄をするのがちょうどよいです。洗浄方法はカートリッジ式と似ていますが、コンバータを使って首軸の中を洗浄する点が異なります。

ステップ① 道具をそろえる

必要なものはカートリッジ式のときと同じです。

コンバーター式万年筆洗浄に必要なもの

柔らかい布、又は紙(ティッシュでもOK)
ある程度の深さのある容器(水を入れてペン先が隠れる程度であればOK)
(ぬるま湯の方がベター)

ステップ② 水の吸い上げ/吐き出しを繰り返す

コップの中に水を入れておきます。インクが取れやすいように、できればぬるま湯がベターです

インクを吸引するときと同じように、コンバータの先を回してコンバータのピストンを下げます。それからペン先をコップの水につけて、水を吸い上げます

水を吸い上げたら、そのままコンバータの先を反対方向に回して水を吐き出します。

水の吸い上げと掃き出しを2~3回ほど繰り返して、万年筆とコンバーターの中を洗います。水の中にインクが溶けだしていきます。

ステップ③ コンバーターを取り出す

コンバーターの中の汚れが落ちたら、コンバーターと首軸とを取り外します。無理に力を入れて外そうとすると破損する可能性があるので、少しずつ力を入れて優しく取り外します。

ステップ④ 水につける

カートリッジ式のときと同じです。

コップの中に水(できればぬるま湯)を入れます。先ほど水ですすいだペン先と首軸を水を張った容器に入れ、一晩ほど時間をおきます。

汚れがひどい場合は水を取り替えて数日おいておきましょう。水から取り出したときにペン先から垂れる水がほぼ透明になったら、ステップ④完了です。

ステップ⑤ 布で拭く

こちらもコンバーター式と同じです。

布やティッシュペーパーなどのやわらかい紙で、ペン先の水をやさしく拭き取ります。このときペン先を強く押しすぎたりしないように気をつけましょう。

ペン先からにじむ水がほぼ透明であれば洗浄完了です。もしまだインクの色が濃いようであれば、ステップ③と④をもう一度行いましょう。

万年筆の洗浄方法(3.吸入式の場合)

吸入式は高価格帯の万年筆に多いタイプです。

洗浄方法はコンバータ式と似ています。ただ首軸・ペン先を取り外すことができないため、首軸・ペン先を水につけるステップがありません。

ステップ① 道具をそろえる

必要なものはカートリッジ式、コンバーター式のときと同じです。

吸入式万年筆の洗浄に必要なもの

柔らかい布、又は紙(ティッシュでもOK)
ある程度の深さのある容器(水を入れてペン先が隠れる程度であればOK)
(ぬるま湯の方がベター)

ステップ② 水の吸い上げ/吐き出しを繰り返す

コンバーター式のときと同じく、水を入れた容器を用意します。ペン先を水につけて万年筆本体のお尻の尾栓を回して、水の吸入と吐き出しを繰り返します。

コンバーター式と違い、この後に首軸・ペン先を水につけるステップはありません。そのため、この水の吸い上げ・吐き出しで中のインクを全て洗い流す必要があります。

容器の中の水を取り替えながら、出てくる水が透明になるまで水の吸い上げ・吐き出しを繰り返します。

ステップ③ 布で拭く

布やティッシュペーパーなどのやわらかい紙で、ペン先の水をやさしく拭き取ります。このときペン先を強く押しすぎたりしないように気をつけましょう。

ペン先からにじむ水がほぼ透明であれば洗浄完了です。もしまだインクの色が濃いようであれば、ステップ②の水の吸い上げ/吐き出しをもう一度行いましょう。

万年筆のメンテナンスについてのまとめ

・万年筆のメンテナンスは、インクの性能を維持するためにも必要
・毎日使うことが一番のメンテナンスで、定期的な洗浄は年に2~3回でOK
・洗浄はカートリッジ式・コンバータ式・吸入式で異なるので、それぞれに合った方法で

メンテナンスをすることで万年筆に対する愛情が生まれてきます。万年筆を好きになってずいぶん経ちますが、メンテナンスは単なる作業というよりも、大切な相棒と過ごすとても贅沢な時間と感じています。

大切な相棒を長く使うためにも、是非とも正しいメンテナンスをしてあげましょう!

メンテナンスもマスターして万年筆に慣れてきた方は、是非ともペン字学習をはじめてみませんか?大人になってからも始められる新しい趣味にとてもおススメです!

ちゃくま

僕も少し前まで「字なんか書いて何が楽しいの?」と思ってたけど、今は毎日寝る前の練習の時間が楽しいよ!

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