「字がきれいになりたい」
「大人として恥ずかしくない字を書きたい」
そう思ってペン字を始める人は多いと思います。
しかし何となく真似して書いているだけでは、なかなか上達しないと感じることもあるのではないでしょうか?
実は美文字に近づくためには「感覚」だけではなく、ある程度の「理論」を理解することがとても大切です。理論を知ると、字のどこが崩れて見える原因なのか、自分の弱点がどこにあるのかが見えてきて、効率よく練習できるようになります。
この記事では、ペン字初心者でも理解しやすいように、字を整えるための理論や方法論を噛み砕いて紹介していきます。
・世の中にはどんな美文字のための理論や方法(〇〇法)があるのか
・自分にあった方法はどれ?
・具体的にどこでその方法が学べるのか?

とっつきにくいテーマだけど、イラスト多めでイメージしやすく説明していくよ!
字がきれいな人は「感覚」ではなく「理論」で書いている


美文字の秘密はセンスじゃない
「あの人はセンスがあるから、、」
「自分にはとてもあんな美文字書けそうにない」
きれいな字を書く人を見るとこんな風に思ってしまいがちです。
でも、実際は多くの美文字の達人が「理論」に基づいて字を整えています。
たとえば、
- どこに線を置くか
- どのくらいの角度で書くか
など、意識的にか無意識かによらず感覚ではなく法則として意識をしているのです。



きれいな字には裏付けがあるんんだね!
誰でも学べば整った字は書ける!
この理論は、決して一部の人にしか使えない難しいものではありません。
むしろ、初心者にこそ役立つものです。
例えば字を練習するとき、
- 「このお手本と同じように書こう!」
- 「このお手本のように、ここのすき間は等間隔に、この点は左右の中心に、この部分は小さめに書こう!」
どちらの方が効率的に上達しそうでしょうか?



当然二つ目の方だよね!
注意すべきポイントがはっきりし、そこに集中して練習できます。その結果、より少ない回数で効率的にお手本の字に近づけるのです。
再現性があるので、学べば誰でも「整った印象の字」を書けるようになります。


例えばこんな感じで、練習前と後で見比べてみると、ポイントを押さえたことで全体の印象が落ち着いた字になりました。



ユーキャンやがくぶんのテキストお手本には美文字ポイントの説明があるから、知らないうちに美文字理論が身に付くね!
文字の形を美しく見せるためには
ここからは、きれいな字を書くための具体的な方法を紹介します。
なお本章の内容は鈴木小江著「書道入門[楷書編]」(金園社)を参考にさせていただいています。
間架結構法(かんかけっこうほう)とは、昔から伝わる基本法
文字の形をきれいに見せるには、文字のそれぞれの部分をいかに上手に組み合わせるかがポイントです。
例えば、
- 大きく書くべき画を小さくしたり
- 小さくてよい点を大きくしたり
このように書いていたのでは文字はきれいには見えません。



じゃあどうしたらいいの??



文字の形を整えるためには、『間架結構法』という基本的な考えがあるよ!



カンカケッコーホー?
難しそうな名前。。



大丈夫!イラスト使いながら誰でも分かるように説明するね!
間架結構法とは、かみ砕いていうと「きれいな字をかくために点や線をどう配置したらいいかのポイントをまとめたもの」になります。
間架結構法の基本的な考え方のポイントは以下3つです。
ポイント①:中心線を意識する「中心法」「均等法」
文字を書くときには、その文字の中心を考えることがとても大切です。
文字の中心をしっかりと中心線上に置き(中心法)、また文字自体が左右同形の場合には同長同大にします(均等法)。
これによって、左右対称のバランスが良くなり文字の安定感が増します
なお、どこが中心になるかは文字によって違います。千差万別の形を持つ文字の中心を捉えるのは大変ですが、主なものは下の4つです。
中央の点 「文」「主」の一画目など
横画のまん中 「文」「亜」の横画など
左右はらいの交点・接点 「文」の交点など
中央を貫く長い縦画 「主」の縦画など





中心を揃える、簡単そうだけど意外と難しい!
ポイント②:線を等間隔に配置する「均間法」
例えば「川」のように平行な画が多くある漢字を書く際は、画と画の間隔を同じになるように書くきます。
これは縦画だけではなく、横画や斜画などでも同様です。
間隔がかたよってしまうと、散漫でだらしなく、すわりの悪い字になってしまいます。
画数が多いときには間隔は狭くなりますが、どんな場合でもあきは同じくらいにして整った形に見せましょう。





縦・横だけではなく、斜めの線も均等に!
ポイント③:変化をつける「後背法」「変化法」
同一の画や形が重なるときは、同じ書き方で、同じ形のものを並べて書いたのでは、文字が単調になり美しさが感じられません。
そのため重なる形の一部に変化をつけ、文字の表情を変える工夫がなされています(変化法)。


特に、「三」や「春」といった平行な画が複数本ある場合には、上の画は下に反り、下の画は上に反らすといった変化をつけます(後背法)。


後背法のように画を背中側に反らせるほど、文字の雰囲気は固く厳しいものになり、反対に内側に丸めるほどやわらかい雰囲気になります。



自分の表現したいイメージに合わせて、画の反らせ具合を調整することもできるね!
文字を美しく見せるための他の方法
間架結構法の3つのポイントの他にも、文字を美しく配置するためのコツはいくつもあります。その中でも主なものをもう少し見ていきましょう。



どれも色々な本や練習帳で紹介されている方法だよ!
外形法
文字には、本体の形として何千年も伝わってきた形があります。これを勝手にくずして書くと、文字本来の姿が失われてしまうことになります。


例えば「四」は横長の四角であり、「国」は正方形が本来の形です。
その文字本来の外形を覚えておきその外形に合わせて書くことで、その文字本来の美しさを引き出すことができます。



外形を似せるだけでも、文字の第1印象はかなり改善するよ!
左右関係法
漢字が左右に分けられる場合、左側が『へん』、右側が『つくり』になることが大半です。
このような文字を美しく書くためには、へんとつくりをたがいに譲り合っているように書かなくてはなりません。


例えば「鳴」のようにへんを小さく、つくりを大きく書くものや、逆に「和」のようにへんを大きく、つくりを小さく書くものもあります。



だいたいは画数が多い方が大きく書くことが多いよ!
上下関係法
左右関係法のように左右の関係だけではなく、上下の関係にも気を配る必要があります。
かんむりと脚にもその字本体の大きさと位置があり、そのバランスに注意することで字を美しく見せることができます。





頭でっかちだと格好悪いからね。ちょうどよいバランスを覚えられるとGood!
統制法
文字には、その文字を支配する大事な画(線)が存在することがあります。
このような大事な画はしっかり太目に書くことによって、その文字は統制され、ひきしまった感じになります。





大事な線はちょっとくらい主張が強くてもいいので、思い切って力強く書こう!
画接法
文字には点や画が接する部分があります。ここをどのように処理するかによって、文字のイメージが変わってきます。


- くっつけるのか、離すのか?
- 一方を突き出すのか、突き出さないのか?
- 突き出すならどれくらいの長さ?
この組み合わせ方も昔からその文字固有のものがあるので、覚えておく必要があります。



基本となる「日」や「口」で覚えてしまえば、他の字でもなんとなく正解が想像できるようになるよ!
この理論を学ぶならコレ!おすすめの学習講座・教材2選
「理論は分かったけど、どう練習すればいいの?」
「間架結構法を学べる学習法を知りたい!」
ここからは、上で紹介した美文字法を学ぶのにぴったりな講座・教材を紹介します。



カリキュラムや教材の中身まで確認して、厳選したよ!
ユーキャン「実用ボールペン字講座」
講座提供 | ユーキャン |
延べ受講者数 | 230万人以上 |
受講費用 | 一括:税込29,000円 分割:税込29,700円 ※1,980円×15回 |
一日の学習目安時間 | 10分 |
学習期間目安 | 4か月(サポートは8カ月) |
添削回数 | 6回 |
目指せる資格 | 硬筆書写技能検定3級 |
書風 | 柔かく親しみあり、実用的 |
美文字理論を学ぶのに最もオススメなのは、ペン字の通信講座で体系的に学習することです。
カリキュラムの中に上で上げた9つの美文字のための理論がしっかりと盛り込まれており、それぞれのポイントについて様々な実際の字を練習しながら会得できます。
また、ペン字の通信講座の中でも最もカリキュラムが充実している講座の一つがユーキャンの実用ボールペン字講座です。徹底的に初心者に優しい講座内容で、超基本から字を学べます。


僕自身もユーキャンの実用ボールペン字講座を受講しました。今回調べた間架結構法についても名称こそ知らなかったものの、全て「あ、これユーキャンで学んだやつだ」と思った理論でした。



さすが、累計受講者数230万人のカリキュラムは伊達じゃないね!
がくぶん「日ペンのボールペン習字講座」
講座提供 | がくぶん |
監修 | 日本ペン習字研究会 |
講座開始年 | 1932年 |
延べ受講者数 | 100万人以上 |
受講費用 | 一括:税込29,800円 分割:税込33,067円 ※初回2,667円+1,900円×16回 |
学習目安期間 | 12か月 |
添削回数 | 12回 |
目指せる資格 | 硬筆書写技能検定3級 日ペンの級位 |
書風 | 端正で伝統的、格式高い |
もう一つのおすすめはがくぶんの「日ペンのボールペン習字講座」です。ユーキャンに勝るとも劣らない、非常に質の高いペン字通信講座です。
テキストの2冊目・3冊目で楷書を学び、その中で字形の整え方を徹底的に練習します。例えば、
- 2冊目、1日目…「文字の中心をとらえる」
- 2冊目、2日目…「点画間のあきをそろえる」
- 2冊目、3日目…「四角形の文字」
のように中心法や均間法、外形法をはじめ、本記事で紹介した理論がしっかり盛り込まれています。



とくに外形法について多くのページが割かれているよ!
まとめ


美しい字を書くためには、理論を知ることが何よりの近道です。
感覚だけでは再現しづらい「整った形」を、理論なら誰でも学び、身につけることができます。
理論といっても、学び方は簡単です。
ユーキャンやがくぶんの通信講座なら、毎日10分~20分続けるだけで、知らず知らずのうちに美文字の理論が身につきます。



本気で字をキレイにしたいないらペン字通信講座は超おすすめだよ!
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