万年筆のインクは千差万別、各メーカーから様々なきれいな色のインクが世に出されています。
しかし一方で、
「どのインクも自分の欲しい色からちょっとずつ違う。。」
「インク混ぜたらダメって聞いたけど、自分で理想の色を作りたい!」
こんな悩みを解決してくれるのがミキサブルインクです。
ミキサブルインクは混ぜてOKなインク、自分の好きなように色を作ることができます。今回はこのミキサブルインクの使い方、遊び方をご紹介します。
この記事を読むと分かること
・ミキサブルインクってどんなもの?
・どうやって自分オリジナルの色を作るの?
・難しかった点、楽しかった点

なかなか手を出せなかったインク沼、、今回体験してみます!
完成したインクはきれいな緑色


できたインクはブルーとイエローをベースにした緑色。
今週は天気の良い日が多くて春の新緑がまぶしかったので、その爽やかな緑をイメージして作りました。


今日のペン字練習でもさっそく作ったインクを使いました。課題もちょうど春らしい文章で、緑色がピッタリです。
ミキサブルインクの紹介


今回使ったのは、呉竹の「はじめてのインク作りキット」




キットに含まれているもの
・インク4色約8ml入(透明、イエロー、ピンク、ブルー)
・からっぽペン(細芯用・細筆用)のキャップ、ボディ、綿芯、尾芯、ラベル
・説明書
インクは8mlですが、はじめてのミキサブルインク体験としては十分遊べる分量です。インク容器の口はスポイトになっているので一滴を簡単に落とせます。
透明のインクは最初何かなと思いましたが、これは色を薄くするときに使います。結構頻繁に使うので一番最初になくなりそうです。



からっぽペンは今回は使わなかったよ
インク作りの具体的ステップ


ここからは実際にオリジナルインクを作るステップを解説していきます。
ミキサブルインクは呉竹以外にもいろんなメーカーから販売されているので、他の商品では使い方が異なる場合がある点、ご注意ください。



説明書をよく読んで使おう!
準備するもの


今回準備したものは以下です。
・ミキサブルインク(呉竹「はじめてのカラーインク作り キット」)
・ノート(作ったインクの試し書きをする、紙でも可)
・インクを入れる容器
・万年筆(試し書きで使う)
・つまようじ(箸でも可、インクを混ぜるためのもの)
もし作ったインクを保存しておきたい場合は、インクを入れる用の小さな小瓶も必要になります。
100均でも容量が20ml程度のプラスチックの容器が売っていますので、用意しておくとベターです。
①作りたい色のイメージをかためる


まずは作りたいインクの色を決めることが第1ステップです。キットの中に簡易的な色見本もあります。
- 好きな色
- 万年筆とおそろいの色
- 季節に合った色
など、作りたい色を考えてみましょう。
今回僕は作りたい色を事前に決めていませんでした。「さて、何色を作ろうかなあ」と考えていたとき、先週末に子供と実家に帰って近くの公園で遊んできたことを思い出しました。
お日様の光に揺れてキラキラしていた緑を見てとても穏やかな気持ちになったことを思い出し、そんな爽やかな緑を作ってみようと決めました。
ただ「緑」といっても様々ですよね。そんなときに助けになるのが呉竹のHPです。84色の色見本とともに、インクキットの4色の配合が紹介されています。





この24番が一番イメージに近いので、これに決めたよ!
②イメージに合いそうなインクをまずは混ぜてみる


ここからはいよいよ配合です。
キットの色見本や呉竹のHPから4色の配合が分かっていれば、その比率のインクを容器に出して、爪楊枝や割りばしなどで混ぜます。
もし配合が不明であれば、近そうな色をまずはいったん混ぜてみましょう。できた色を見ながら、次ステップでイメージに近づけていく作業を行います。


今回選んだ24番の緑は「透明:イエロー:ブルー=4:2:2」です。初体験なので、まずは4滴・2滴・2滴と少ない量をたらして混ぜていきました。
青と黄色はすぐにまざって深みのある緑色になりました。透明を混ぜると少し色が薄くなった気もしますが、まだまだ深緑色。
ちょっと色が濃すぎて不安になりましたが、書いてみると色見本通りの緑色になり一安心です。
③混ぜる⇒試筆⇒色の確認を、納得のいくまで繰り返す


ここからは色の微調整です。
まずはできたインクで試し書きをしてみましょう。そこでイメージ通りであれば完成です。
もしもう少し色を変えたいという場合は、キットのインクを加えて再度試し書きをしてみましょう。一気にたくさんのインクを加えると色が大きく変わってしまうので、少しづつ加えるのがよいです。
24番のレシピ通りでもよかったのですが、もう少し青みがほしかったのでブルーを一滴づつ加えていきました。
結果的にブルーを4滴追加したところでストップ。落ち着いた青緑色のインクができあがりました。





一旦はここで終了!もしインクを多く作って残しておきたいなら残りの④~⑥のステップに進もう!
④調合する
前ステップで出来上がった色の配分を覚えておき、その比率で今度は多めのインクを作っていきます。
保管用の容器は10ml~20mlくらいがちょうどいいくらいです。その容量に入るように計算してそれぞれ透明・イエロー・ブルー・ピンクの入れる量を決めましょう。
調べてみると1滴はだいたい0.05mlくらいとのことです。今回は5mlくらい作りたかったので、
- 透明:42滴(約2.1ml)
- イエロー:14滴(約0.7ml)
- ブルー:42滴(約2.1ml)
これくらいを調合しました。



出来上がり量を正確に測るなら、計量器を使うとよいよ!
⑤試し書きで微調整する
念のために出来たインクで試し書きをします。レシピ通りであれば同じ色となるはずですが、
「なんかイメージがちがう」
「ちょっとだけ微修正したい」
という場合は追加でインクを数滴追加してみるなどしましょう。
⑥保管用の瓶に入れ、ラベルを貼ってできあがり!


最後に保管用の瓶にこぼさないように入れて、完成です。お疲れ様でした!



これでいつでも作ったインクを使えるね!
はじめてインクを作ってみた感想3選


今回初めてミキサブルインクに挑戦してみました。楽しかったこと、気づいたこと、色々ありました。その中で特にお伝えしたいこと3点を厳選しました!
①1滴入れるだけでインクの色は大きく変わる
実際に試してみて分かったことですが、思った以上に色は大きく変わります。
調子に乗って数滴まとめて入れるとリカバリーできないくらい色が変わってしまうので、「少し入れる⇒混ぜる⇒試し書きする」を細かく繰り返すことがとても大事だなと感じました。
②イメージ通りの色をレシピ無しで作るのは難しい
今回は呉竹のHPにあるレシピをベースに作りましたが、もしこれがないととても自分でイメージ通りの色を作れる気がしません。
ベースとなるイエロー・ブルー・ピンクのうち2色を使う色であれば、
- イエローとブルー ⇒ 緑
- ブルーとピンク ⇒ 紫
- ピンクとイエロー ⇒ オレンジ
となんとなくイメージがつきます。一方でグレーや茶色など、3色を混ぜる色になるとまったく予想がつきません。レシピ、、超大事です。
③作成中の色の変化はノートに記録しておくのがオススメ
色を作るのに夢中になると、ついつい
「今何色を何滴入れたっけ?」
「さっきの色をもう一回作りたいけど、配合忘れた。。」
となってしまいがちです。そのために色を作るときには、できるだけ細かく色の変化を記録しておくのを強くオススメします。
完成した色だけではなく途中の色も記録しておけば、色の調整を途中からやり直すこともできます。面倒でも1滴増やすごとにどの色をどれだけ加えたのか、ということをメモしておくようにしよう。
まとめ:自分だけの特別な色を作って万年筆ライフを楽しもう!


・通常のインクは混合NGだが、ミキサブルインクであれば好きな色を作れる
・インクレシピを参考にしつつ、少しづつ色を加えてイメージ通りの色を作る
・インクを作っている最中は色の変化を記録しておくのがとても重要
ミキサブルインクを使えば作れる色のバリエーションは無限大です。
気分に応じて新しい色を作って、日常や字の練習に使っていくのも楽しいですね!
一度ミキサブルインクのキットを買えば何度も使えるので、是非沢山のお気に入りの色のインクを作ってみてください。



新しく作った色でペン字を習うのもオススメ!きれいな色の字は書いていても楽しいよ!





あと、他にもいろんな万年筆で遊ぶ方法をまとめているので、のぞいてみてね!


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