字を上達させようとペン字講座・練習帳を探していると、こんなフレーズが目に入ってきます。
- 「なぞるだけで美文字!」
- 「1日10分のなぞり書きレッスン」
いわゆるなぞり書きです。初心者向けのペン字講座や練習帳に多く見られますが、ただなぞるだけで字は上達するのでしょうか?
僕は学生のころにペン字教室に通っていました。やる気もなかったため、何も考えずになぞり書きだけで練習をしていたところ、数年間たってもほとんど字は上達しませんでした。

なぞり書きは簡単だけど、それだけではなかなか上達しないね。
本気で字を上手くなりたいのであれば、正しいステップで練習することが必要です。この記事は初心者向けに効率的なペン字の基本的な練習方法を解説します。
この記事を読んだらわかること
・なぞり書きでは上達しない理由
・上達スピードを上げる練習法
・ユーキャンのボールペン字講座で実際に試すとどうなるか
何も考えない「なぞり書き」では上達しない理由


練習方法の説明の前に、なぜ何も考えずになぞり書きだけでは良くないのか、理由を解説します。
「ダメなのはなんとなく分かるけど、、」
「なぜダメなのか理由が分からない」



こんな疑問に答えていくよ!
次に書くときにクセ字に戻ってしまう
練習した字を次に見たとき、きれいな字がかけるようになっているとはどのような状態でしょうか?
無意識できれいな字がかけるほどに美文字が体に染みついていれば話は別ですが、ペン字初心者であれば次の2ステップを踏むことになると思います。
- 「あ、この字は前に練習した字だ」と、練習した字であることに気づく
- 「この部分はこう直さないと」と、練習した通りの正しい書き方で書く
何も考えずになぞり練習するというのは、字を書いているというより線をなぞっているだけです。今自分が何の字を書いていて、どこを直そうとしているのかが分からずともなぞれてしまいます。
そのため練習した字を見ても、前に練習したことも、その字のどこを練習したのかも覚えていない、、ということになりがちです。



結果として、せっかく練習しても次書いたときには元のクセ字に戻ることが多くなっちゃうね。
クセ字に戻らないためには、手を動かすだけではなく頭も使おう!
「じゃあどうすればいいの!?」
ポイントは、しっかりと頭で自分のクセとお手本を覚えることです。
自分のクセを理解し、どこをどう直せばいいかを理解しながら練習することで、次に同じ字を書くときに「あ、この字は前に練習した字だ」「この部分はこう直さないと」と思い出すことができます。
次の章からは、実際に自分のクセとお手本を覚えるためにはどんな練習をすればいいかを4ステップに分けて説明していきます。



誰でも簡単に実践できるようにポイントを絞って解説してるよ。見ていこう!
「自分の字のクセ」「どう直すか」を覚えるための練習法


ここからはペン字の上達スピードをアップさせるための練習方法を解説します。
説明ではユーキャンの教材を使っていますが、どのような教材でも考え方は同じでOKです。



後ろでも紹介するけど、この方法は書家の先生が書いた「万年筆で極める美文字」に基づいているよ!
ステップ1:お手本を見ないでまず書いてみる


普通に練習しようとすると、どうしてもまず最初にお手本を見てしまいがちです。しかし大事なのは最初に何も見ずに書くことです。
何も見ずに書いた字には今の自分のクセが全てつまっています。これを残しておきましょう。
ステップ2:書いた字をお手本と見比べ、違いを見つける


次にお手本と今書いた自分の字を見比べてみましょう。色々な発見があるはずです。
・文字の大きさ、配置、バランス
・文字と文字の間隔
・線の長さ、角度
・とめ、はね、はらいをする箇所
これらの気づいたことはお手本と今の自分の字と差です。美文字を書くために自分に足りていない、間違っているポイントです。
お手本との違いが多すぎて落ち込む必要はありません。これらの気づきは美文字に近づくためのとても大事な発見です。あとから見返しても分かるように、全てメモしていきましょう。





最初にお手本を見てしまうとこの気づきが得られないよ!
ステップ3:見つけた違いを直すことを意識して反復練習


ステップ2で見つかった違い・気づきをしっかり覚えて、お手本の形になるように何度も反復練習しましょう。
このステップをしっかり何度も繰り返すことで、次に同じ字を書くときに「あ、ここはお手本と違って直したところだ」と思い出すことができます。



自分のクセを矯正する!というイメージを持って練習しよう!
ステップ4:直した点を他の字にも応用
ステップ3まででクセ字の矯正はいったん完了です。同じ字を書くときには高い確率で自分のクセを思い出し、よりお手本に近い字で書くことができます。
しかし、世の中には非常に多くの字があります。
ひらがな・カタカナであれば限られていますが、漢字はそうもいきません。全ての漢字を一個一個練習しなければならないのは大変です。
そこでステップ4が役にたちます。漢字にはへんやつくりなど、共通する部分が多くあります。共通する部分を書くときには同じクセが出やすいので、同じポイントに注意して書くようにしましょう。
「様」を練習 ⇒ 「机」「村」など、きへんの漢字を書くときに応用
「道」を練習 ⇒ 「遵」「進」など、しんにょうの漢字を書くときに応用



この要領で、練習していない字も知らない間に上達させてしまおう!
参考書籍:万年筆で極める美文字(青山浩之 著)





今回の内容は、この本を参考にしたよ!
![]() ![]() | 万年筆で極める美文字 |
1,100円(税込) | |
著者:青山浩之(実務教育出版) | |
Amazonレビュー数:85個の評価 ★★★★☆(4.1) ※いずれも2025年3月6日時点の数値 |
こちらの練習帳は実際に購入して熟読し、受講中のユーキャンのペン字講座を受ける中でも参考にしています。
特に今回紹介したように、
- 上達するためにはどう練習したらよいか?
- 万年筆をペン字練習で使いこなすには?
このような内容が、書家・美文字研究家の目線から書かれています。
ペン字の練習帳も付属してはいますが、ペン字初心者に向けた読み物としてもとても勉強になります。興味ある方は是非お手に取ってみてください。
まとめ:ただなぞるのはダメ!頭も使って上達スピードを上げよう


・なぞり書きだけでは次書くときにクセ字に戻ってしまう
・「練習した字であること」「どこを直すか」を理解し覚えておくことがポイント
・そのためには自分のクセ字とお手本を比較し、どこが違うかを見つける!
今回紹介した方法を実践すると、正直なところ時間がかかります。単になぞり書きをするだけだと10分で終わる課題に30分かかったりします。
ただし上達度合いは段違いです。かかった時間が3倍だとしても上達速度は3倍以上だと感じています。
せっかく大切な時間をかけて字を練習するのですから、手だけではなく頭もフル回転させて、効率よく美文字に近づきましょう!



今回のポイントを覚えつつ、美文字目指して頑張ろう!ペン字をはじめる時の完全ガイドはこちらだよ!




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