僕は2014年に初めてお店で万年筆を買いました。そのときは万年筆のことは何も知らず、
- 「万年筆の他に何か必要なものってないのかな?」
- 「インクは瓶で買うのかな?高そう。。」
- 「これから万年筆使っていくとどれくらいお金かかるんだろう?」
こんな疑問を持っていました。万年筆はボールペンなどのよく使う筆記具とは違うので不安になりますよね。
そこでこの記事では、万年筆を始めようと思っている初心者の方向けに、何を準備すればよいのかをくわしく解説します。
この記事を読むと分かること
・万年筆を始めるときに、万年筆の他に何が必要なのか
・それら必要なものを買うのにいくらくらいかかるか?オススメは?

万年筆を始めるときの疑問を払拭するよ!
万年筆を使うときに必要なものは2つ


必要なもの1つ目:インク
一部の入門編の万年筆ではインクカートリッジが1~2本ついてきて、そのカートリッジをそのまま使って書くことができることがあります。
しかしこれは例外で、基本的に万年筆にはインクはついてきません。そのため万年筆とは別で自分でインクは用意をする必要があります。
必要なもの2つ目:メンテナンス用品
万年筆はメンテナンスが必要な筆記具です。どんなに綺麗につかっていても年に数回、もし使用頻度が低くてインクが固まってしまったらその都度、万年筆の内部に残って固まったインクを取り除くメンテナンスが必要です。
このメンテナンスは基本的には家にあるもので足ります。しかし、詰まりがひどい場合はインクを糊除くための専用品が必要になります。
初期費用はいくらくらいかかるの?
気になるのは値段ですよね。おおよそではありますが、イメージは以下となります。
- インク関係でかかる初期費用
- カートリッジ式…数百円
- コンバータ式/吸入式…1000~3,000円
- メンテナンス用品にかかる費用…汚れがひどくなければ0円



カートリッジ式だったら、万年筆以外に数百円のカートリッジだけで始められるよ!
必要なものその1:インク関係


一つ目の必要なものであるインクは、種類や色のバリエーションがとても多く「インク沼」とも言われます。そのため初心者はどのインクを選べばいいか迷ってしまいますよね。
この章では、初心者がまずおさえておくべきインクに関する知識と、最初に買うべきオススメのインクを紹介します。



インクはめちゃくちゃ奥深い!
万年筆の種類によって必要なものが違う
万年筆へのインクの補充方式には大きく分けて3種類があり、それぞれで何が必要かが違います。
インクを入れるのに必要なもの
カートリッジ式…カートリッジ
コンバーター式(両用式)…カートリッジか、コンバーター+ボトルインク
回転吸入式…ボトルインク
コンバーター式の万年筆は「両用式」とも呼ばれていて、カートリッジを使うことも可能です。そのためコンバーター式を使う場合には、コンバーター+ボトルインクを使うか、カートリッジを使うか、好きな方を選びましょう。



ここからは、カートリッジ・コンバータ・ボトルインクそれぞれで何を買えばいいか解説していくよ!
カートリッジは何を用意すればいい?


カートリッジ式やコンバーター式(両用式)の万年筆を使うとき、カートリッジという中に少量のインクが入ったプラスチック製の製品が必要になります。
このカートリッジはそれぞれの万年筆メーカーから発売されており、ボトルインクほどではありませんがさまざまな色や種類があります。だいたい2本~10本程度のセットで数百円です。
注意点としては、カートリッジと万年筆との接合部の規格がメーカーによって異なるので、万年筆と同じメーカーのカートリッジを買うようにしてください。規格が違うカートリッジを使うと、使えなかったりインク漏れの原因になります。



日本3大メーカーのカートリッジは以下だよ!
コンバーターは何を用意すればいい?


コンバーター式の万年筆を使う場合、インクとは別にコンバーターが必要になります。このコンバーターは外付けのインクの吸入機構です。万年筆に装着した状態でお尻の部分を押したり回したりすることでインクを吸い上げることができます。
カートリッジと同様、コンバーターも規格があります。そのため万年筆と同じメーカーのコンバーターを購入するようにしましょう。



日本3大メーカーのコンバータは以下だよ!
ボトルインクは何を用意すればいい?


ボトルインクは、コンバーター式と回転吸入式の万年筆で必要になります。その名の通りボトルに入ったインクで、様々なメーカー・色・種類のインクがあります。インクを補充するときは、万年筆のペン先をボトルインクの中のインクに入れて吸います。
インクの種類には、
・染料インク … 染料を溶剤に溶かしたインクで、万年筆のインクとしては最もポピュラー
・顔料インク … 顔料を溶剤に分散させたインクで、耐水性・耐光性が強い
・古典インク(没食子インク) … 3つのうち最も古いインクで、書いた時と乾いたときで色が変わる
があります。万年筆のインクでは染料インクが初心者にも扱いやすく数も多いのでオススメです。



色に迷ったら、まずはオーソドックスなブラックかブルーブラックを選んでおけば間違いないよ!
必要なものその2:メンテナンス用品


万年筆はよく「毎日使うのが一番のメンテナンス」と言われます。これは、長期間使わないと万年筆内部に残ったインクが固まってしまい、書き味が低下したり書けなくなってしまうからです。
しかし毎日使っていたとしても年に数回はメンテナンスが必要です。詳しくはこちらの関連記事にまとめてあります。


メンテナンスは基本的に特別なものは不要
定期メンテナンスは万年筆の内部に溜まった古いインクを取り除くためのもので、必要となるのは
・柔らかい布、又は紙(ティッシュでもOK)
・ある程度の深さのある容器(水を入れてペン先が隠れる程度であればOK)
・水(ぬるま湯の方がベター)
です。いずれも家にあるものばかりで、改めて用意する必要はないかと思います。



家にあるもので十分だね!
汚れがとれないときにはクリーナーが必要
一方で、インクを入れたまま長期間放置していたときなど、万年筆の中で固まったインクが水だけでは取れない場合があります。そんなときは専用のクリーナーが必要となります。
クリーナーはパイロットとプラチナから発売されています。
よくあるQ&A


- インクは混ぜられるの?
-
基本的に混ぜるのはNGです!
ただし混ぜてOKのインクもあるので、複数のインクを混ぜたい場合はそれ専用のインクを使いましょう。例えば以下のものです。
- カートリッジとボトルインク、どっちがお得?
-
ボトルインクの方がお得です!
カートリッジは数百円と非常に安いですが、容量は1ml程度です。ボトルインクは1,000円~3,000円程度ですが容量は多く、同じ量を使った場合のコストはボトルインクの方が安くなります。
お試しであればカートリッジ、同じ色を長く使うならボトルインクがオススメです。
- インクは万年筆と違うメーカーのものを使っても大丈夫?
-
基本は純正のインクが推奨です。
各社の万年筆は純正のインクを使うこと前提で設計されています。
そのため他社のインクを使うとインクの出る量が想定より多かったり少なかったり、また思わぬトラブルの原因になる可能性もゼロではありません。
しかし、実際にはそのような不具合はそこまで多くはありません。あくまで自己責任ではありますが、僕は他社インクも使っています。
まとめ:必要なものは多くない。安心して万年筆をはじめよう!


・万年筆を始めるときにはインクとメンテナンス用具が必要
・トータルで数百円~3,000円くらい、各メーカーから必要なものは購入可能!
はじめる前はどれだけ用意しないといけないか不安ですが、分かってしまえばとても簡単です。インク周りの用意は必要ですがそれほど難しくありません。
インクにも色々な種類があるので、自分の好きなものを見つけるのも楽しいです。
また、万年筆を使う準備が整ったら、是非万年筆で字をならったり遊んだりしてみてください。関連記事はこちらです。




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