ペン字をはじめる時、筆記用具選びは悩みますよね。
特に万年筆を使う場合はインクも買わないといけないので手間も2倍です。更には「インク沼」と呼ばれるほどにバリエーションが豊富な万年筆インクですので、
「ペン字に使う万年筆インクってどれがいいの?」
「種類が多すぎて選べない、、」
こんな悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、ペン字を万年筆で受講しようとしている万年筆初心者の方向けに、どんなインクを選べばよいのかを解説していきます。
この記事を読むと分かること
・そもそも万年筆のインクにはどのような種類があるか
・それぞれのインクの特徴
・ペン字学習にはどのようなインクを選ぶべきか

なかなか探しても見つからない情報を分かりやすくまとめたよ!
万年筆のインクの「種類」


インクには様々な種類がありますが、おおまかに整理すると選ぶポイントは
- 種類
- 色
この2つになります。この2つが決まれば候補はぐっと狭まるので、あとは好みのメーカーかどうかや価格、ボトルのデザインなどで決めていくことができます。



まずはこのうち「種類」について説明するよ!
インクには3種類がある
インクには染料インク・顔料インク・古典インクの3種類があります。それぞれは製造方法や特性が大きく異なります。
染料インク | 顔料インク | 古典インク | |
---|---|---|---|
色の多さ | 多い | やや多い | 1色のみ |
耐水性 | 低い | 高い | やや高い |
耐光性 | 低い | 高い | 高い |
メンテナンス性 | 簡単 | やや簡単 | 大変 |
染料インク:色のバリエーションが豊富で扱いやすい!
染料インクの特徴
- 水に溶けるタイプのインク
- ペン先が詰まりにくく、初心者でも安心
- 鮮やかな色が多く、いろいろな色を楽しめる
- ただし、水に弱く、こするとにじんだり消えてしまうことも
👉 おすすめな人: カラフルなインクを楽しみたい人、初めて万年筆を使う人



現在売られているインクのほとんどはこの染料インクだよ。おすすめは品質もよく、グラム当たりの値段も最安のパイロットのインク
顔料インク:水に強く長く残るインク!
顔料インクの特徴
- 粉状の色の粒(顔料)を水に混ぜたタイプ
- 一度紙に書くと、水や光に強く、長期間保存に向いている
- ただし万年筆の中で固まると洗浄が、定期的なお手入れが必要
👉 おすすめな人: 書いた文字を長く残したい人



最近増えてきてるけどまだまだ数が少ないインク。代表的なのはセーラーのストーリアだよ!
古典インク:時間が経つと色が変わる不思議で伝統的なインク!
古典インクの特徴
- 昔ながらのレシピで作られた、鉄分を含むインク
- 書いた直後は薄めの青、時間が経つと黒っぽく変化していく
- 耐水性・耐光性があり、文書保存にも使える
- やや腐食性があるため、ペンをしっかり洗うことが大切
👉 おすすめな人: 歴史あるものにロマンを感じる人、万年筆上級者



作っているメーカーも無くなってきてるけど、代表的なのは下のペリカンのインク。色はブルーブラックの1色のみで他の色は古典インクではないから注意!
万年筆のインクの「色」


インクの色は千差万別
字を書くのでインクの色は黒や青だけかと思いきや、黄色や赤、緑などあらゆる色のインクが世の中にはあります。
さらには同じ系統でもインクの色は微妙に違います。例えば各社が出している赤色のインクを並べてみると、、
①レッド(パーカー)
②ダークレッド(スティピュラ)
③バーガンディー(ビスコンティ)
④紅葉(パイロット)
⑤オペラレッド(エルバン)
⑥ルビー(ペリカン)
⑦クリムゾン(ダイアミン)
⑧ガーネット(ファーバーカステル)
⑨ヴァンパイアレッド(プライベートリザーブ)
…等々
名前を見ただけでもそのバリエーションの豊富さが分かります。



まさにインク沼!
色の選びかたの基本:TPOに合わせる
こんなに色んな色があると選ぶのが大変ですよね。
色の選び方としては、基本的には好きな色を自由に選んでOKです!好きな色を直観で選んで楽しむのがインク選びの醍醐味です。
一方で、少い注意しておかなければならないのはその万年筆を使う場面によっては、使ってよい色と使わない方がよい色があるということです。
ビジネス:契約書やオフィシャルなレターは日本では黒、欧米ではブルーブラック
手紙:お祝い・お見舞い・弔辞など、フォーマルな手紙であれば、黒かブルーブラック



好きな色の他に、黒を一つ持っておけば安心だね!
ペン字学習にはどんな万年筆インクがよい?


ここからは、ペン字学習をするときにはどんなインクがよいかを「インクの種類」と「インクの色」それぞれについて深堀りしていきます。



万年筆でのペン字学習者は必見!
インクの種類:濃淡が出て扱いが簡単な染料インクがオススメ!
ペン字の練習は数か月、数年と継続することが大事です。その間には何度も万年筆のメンテナンスをすることになりますが、顔料インクや古典インクは少々メンテナンスが面倒です。
メンテナンスが面倒くさくてペン字を挫折してしまう、、ということにならないように、最もメンテナンスが簡単な染料インクがペン字にはオススメです。
また、染料インクは色の濃淡が出やすいという特徴もあります。
万年筆は筆圧をかければ線が太くなってインクの濃さがしっかりでます。染料インクで書いた字を見ると、トメや右はらいでしっかりと筆圧をかけてのが分かり、味のある字を楽しむこともできます。



染料インクなら簡単に手に入るね!
インクの色:通信講座によってはNGな色もあるのでチェック
ペン字をする際の色は何色にすべきでしょうか?練習では何色を使うのも自由ですが、通信講座の添削や、資格・段位試験では色に関する制限も見られます。
添削課題の提出
[ユーキャン]実用ボールペン字講座
・課題の提出時、インクの色の指定はなし
ペン字関連の試験
[日本書写技能検定協会]硬筆書写技能検定
・万年筆は一部で使用可、インクは黒色および青色(ブルーブラック)が使用可
[公益財団法人日本書道教育学会] 全国ペン硬筆検定試験
・万年筆は使用可、ただしインクは黒色のみ
[日本ペン習字研究会]日ペンの師範認定試験
・万年筆は使用可、ただしインクは黒色のみ
色の制限がある試験では黒であればおおよそ認められています。ペン字練習を続けて試験を受ける場合もあるかと思いますので、インクの色は黒を持っておくと安心ですね。
ペン字学習のオススメ万年筆インク!


ペン字に使うべきインクの種類は「染料インク」、色は「黒」と分かったところで、具体的にオススメの黒色の染料インクを紹介していきます。
原則、万年筆と同じメーカーの染料インクを使うべし!
万年筆のインクは各メーカーが自社の万年筆に使うことを前提に、最もよい書き味となるように成分や配合が考えられています。
そのため、原則としては自身の万年筆と同じメーカーのインクを買うのが最も安全で安心です。日本の万年筆3大メーカーであれば、いずれもリーズナブルな価格の黒色染料インクを出しています。
メーカーにこだわらないならペリカンの染料インクがオススメ!
「万年筆と同じメーカーによいインクがない」
「他のおすすめインクは?」
こんな質問に対しては、ペリカンのインクをおすすめします。
ペリカンはドイツの有名筆記具メーカーで、もちろん染色インクも販売しています。色も多数あり価格もリーズナブルです。
更にオススメポイントは、インクボトルの形状です。普通はインクの残量が少なくなってくるとなかなかインクを吸うことができなくなりますが、このペリカンのインクはボトルを斜めに置くことで、残り少なくなったインクを一か所に集めることができます。



最後までインクを使い切りやすくなる工夫がうれしいね!
まとめ:お気に入りのインクを使って楽しくペン字を継続しよう!


・万年筆のインクは3種類あって特徴が異なる
・万年筆の色は千差万別、TPOに応じて最適な色を選ぼう
・ペン字には黒の染料インクがおすすめ!
好きなインクを使うと気分も上がり、万年筆を使うのが楽しくなります。ペン字を継続することは簡単なことではありませんが、お気に入りの万年筆・インクと共に一日ずつ練習を積み重ねていきましょう。



インクを手に入れたあとは、ペン字講座にチャレンジしてみよう!完全ガイドは以下だよ!




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