万年筆にはインクの補充方法がいくつかあり、現在主要なのが「コンバーター式」です。
コンバーター式では、名前にもなっているコンバーターのほかに、「カートリッジ」と呼ばれる使い捨てインクも使えます。
そのため、
・コンバーターとカートリッジどっちがいいの?
・ユースケース毎にどちらがオススメか知りたい
このような疑問を、万年筆を使い始めた頃に僕も持っていました。
本記事を読むことで、コンバータ式(両用式)の万年筆を使う際に、コンバータとカートリッジどちらを選ぶべきかを判断することができるようになります。
この記事を読んで分かること
・コンバーターとカートリッジとは?
・それぞれの特徴、メリデメ、向いている人
・ペン字学習者はどっちがおすすめ?(初心者、中級車、上級者それぞれ)

基本からゆっくり丁寧に解説していくよ!
カートリッジとコンバーターについて詳しく解説


なぜカートリッジとコンバーターで迷うの?⇒コンバーター式は両方使えるから!
万年筆が「難しい」と思われる理由の一つに、インクの補充方式のとっつきにくさがあります。
例えばシャープペンシルであれば、芯がなくなったら替え芯を入れます。分解も非常に簡単で子供でも扱えます。一方で万年筆はどうでしょうか?
実は万年筆は、モデルによってそのインクの補充方式が異なります。インク補充の手軽さ・コスパ等もそれぞれで違い、大きく分けて3つの方式があります。
- カートリッジ式(カートリッジのみ使える)
- コンバーター式(低~中価格帯の主流、カートリッジとコンバーターの両方使える)
- 吸入式(万年筆自体にインク吸入機構を持つ)



コンバーター式は多くの万年筆に採用されていて、両方使えるからこそ「どっちを使おうか?」との悩みが出てくるわけだね!
カートリッジ:携帯できる手軽さが魅力!
カートリッジは、中に少量のインクが入っている小さなプラスチック製容器です。万年筆に付け替えるだけで、簡単にインクを補充できます。
カートリッジの形状はメーカーやモデルによって様々ですので、持っている万年筆に使えるカートリッジを選ぶ必要があります。
カートリッジは小さくて持ち運びも楽、空になったカートリッジはそのまま捨てられます。
一方で色のバリエーションが限定されていることと、インク量が少ないのでトータルで見るとボトルインクより割高である点がデメリットです。
メリット:手軽・清潔・携帯性◎
デメリット:インクの選択肢が少なめ。長く使う前提ならコスパも△
コンバーター:様々な色のボトルインクを使える!
コンバーターは万年筆に装着することでボトルからインクを吸入できる、後付けのインク吸入器具です。
ボトルインクは様々な色や種類のインクがあるため、色々なインクを使うことができます。
またボトルインクはカートリッジに比べて量が多い分割安なので、コスパ的にはボトルインクにメリットがあります。
メリット:インク自由度・コスト◎。好みの色を楽しめる
デメリット:補充がやや面倒
メリット・デメリットの比較



それぞれの特徴をまとめるよ!
カートリッジ | コンバーター | |
---|---|---|
インクの コスト | 高め | 安い |
インクの 種類 | 限定的 | 無限 | ほぼ
使いやすさ | だけ | 差し込む必要 | 慣れが
携帯性 | 安心 | 清潔&面倒 | やや
初心者 向き? | 操作 | 簡単必要 | 慣れが
コンバーターとカートリッジはどちらかが上位互換というわけではなく、それぞれに得意・不得意があります。
そのためコンバーター式の万年筆では、シーンや状況に応じてカートリッジ・コンバーターのどちらを選ぶかを変えるのがベストです。
使用シーン別のおすすめ方式


コンバーター式では、カートリッジとコンバーターを状況によって使い分けるのがGoodということが分かりました。そのためここからは、
- 初心者
- 日常使い
- 出先で使う
- ペン字学習者
の4つのシーンで、カートリッジとコンバーターのどちらがオススメかを解説していきます。
【初心者】→ カートリッジがおすすめ
カートリッジの最大のメリットは、その手軽さ・扱いやすさです。
まずはカートリッジで万年筆に慣れ、もっと本格的に、、となればコンバーターに移行するのがオススメです。
カートリッジは数百円と安価なため、もし「なんか違うな。。」と思っても金銭的損失は小さくて済みます。
【日常使い】→ コンバーターでインクを楽しむ
ある程度継続して万年筆を使うようになれば、コスパも重要になってきます。ボトルインクはお財布にも優しいです。
また、その日の気分によって使う色を変えることもできます。万年筆を使う時間を贅沢に楽しむのもいいですね。
【出先で使う】→ カートリッジが安心
万年筆を持ち運ぶのであれば、おすすめはカートリッジ一択です。
コンバータを使うのであればインク切れに備えてボトルインクを持ち運ぶ必要がありますが、インクボトルは結構重くて荷物になってしまいます。
【ペン字】→ 初心者はカートリッジ、継続するならコンバーター
ペン字学習は毎日の反復練習が重要です。継続するならある程度の量を書くため、コスパが重要になってきます。
日ごとに違う色のインクを使って気分を変えることでモチベーションも保てます。これらの理由からコンバーターがオススメです。



ただしペン字初心者のうちは、まずはカートリッジでお試しするのがいいよ!
(はじめて1、2か月) | ペン字 初心者(はじめて数か月~数年) | ペン字 中級・上級者
---|---|
おすすめ:カートリッジ 数百円で安くお試しできる 初心者にも使いやすい | おすすめ:コンバーター 色んな色を楽しめてモチベーションup インク多く使うならトータルでコスパ良い |
ペン字学習者におすすめの万年筆とインクセット


ペン字学習では、継続して練習するようになったらコンバーターへ移行した方がメリットが大きいです。そこでここからは、
「まだ万年筆買ってないけど、どのモデルだとスムーズに移行できる?」
「具体的なオススメパターンを知りたい!」
という疑問に答えるべく、実際にどんなモデルがオススメなのかをご紹介します。



買いやすい日本メーカーからコスパよいものを選んだよ!
ペン字をこれから始める初学者向け:「カクノ」+カートリッジインキ


高品質でリーズナブルな万年筆を世に出し続けているパイロットの商品の中から、エントリーモデルとして最適な「カクノ」をオススメします。
カクノはコンバーター式の万年筆で、価格は1,080円(税込み)です。
1,000円とは思えないようなユーザーフレンドリーな工夫が満載な万年筆で、2014年にグッドデザイン賞も受賞しています。
パイロットのカートリッジもとてもリーズナブル、5本入りで220円です。
色もブラック、ブルーブラック、ブルー、レッドの4色から選べます。



万年筆とインク合わせて1,200円くらいで始められるね!
ペン字に慣れてきた中級者向け:「カクノ」+コンバーター「Con-40」+「一般書記用インキ(30ml)」


ペン字を始めて数か月たって万年筆にも慣れてきたら、カートリッジからコンバーターに変えてみましょう。
パイロットのコンバータであれば、Con-40という商品名のコンバーターがオススメです。
お尻のところのノブを回転させることで内部のピストンが上下し、インクを吸入できます。
コンバーターを使用する場合、同時にボトルインクも必要になります。カートリッジよりもトータルで安くインクを使えます。
パイロットからは30ml入りのボトルインクが購入できます。
値段は他のメーカーと比べても最安レベル、品質も折り紙つき、色はカートリッジと同じく4色あるので気に入った色を選べます。



ボトルからインクを吸入していると、「万年筆を使ってる!」という実感が湧いて楽しいよ!
字が上達して、インク濃淡を楽しみたい上級者:「カスタム74」+コンバーター「Con-40」+「一般書記用インキ(30ml)」


万年筆で字を習うメリットの1つに、その柔らかいペン先があります。特に金を含むペン先は筆圧をかけるとしなり、毛筆に似た美しい表情の字を書くことができます。
こちらの記事でも紹介している通り、パイロットのカスタム74は品質に優れ、金ペンの入門に最適な万年筆です。
カクノで使っていたCon-40は引き続き使えるので、コンバーターやインクを買い替える必要はありません。



万年筆の醍醐味である書き味を堪能しよう!
まとめ:あなたに合う補充方式はどっち?


・カートリッジは扱いやすく、初心者にオススメ!
・コンバーターはいろんなインクを楽しめ、コスパも◎
・ペン字学習者ははじめはカートリッジ、慣れたらコンバーターに移行し、最終的にはカスタム74などのコンバーターが使える憧れの金ペンへ!
カートリッジとコンバータは似て非なるものです。両方の特徴を踏まえて、自分により合ったものを選びましょう。
「実際使ってみないと分からない!」という場合は、実際に両方使ってみてしっくりくる方を選ぶのもよいですね。



インクの準備ができたら、万年筆でペン字講座にもチャレンジしてみよう!完全ガイドは以下だよ!




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