初めての万年筆を買うときどれを選ぶか迷いますよね
「まずは1,000円以下の万年筆を買ってみたい」
「エントリーモデルでも、妥協せずに自分に合う一本を選びたい」
僕も万年筆を使ったことがほぼない状態で最初の一本を買いにいきました
まずは安いモデルをどれでもいいから買おうと思ったのですが、迷いに迷ってその日は結局何も変えずに帰宅しました
この記事は、万年筆の最初の一本を買おうと思っている人向けに、日本の3大万年筆メーカーの各エントリーモデルを徹底比較します

万年筆をこれから始めるときの参考にしてね!
各社のエントリーモデル万年筆 基本情報の比較
日本の万年筆メーカーといえば
- パイロットコーポレーション
- プラチナ万年筆
- セーラー万年筆
の3社が挙げられます
いずれも歴史のある世界的な万年筆メーカーです
これらのパイロット、プラチナ、セーラーの3社は、いずれも1,000円程度で購入可能なエントリーモデルの万年筆を用意しています
3本ともその値段からとは思えないほどのクオリティでハズレはありませんが、特徴はかなり異なりますので、まずは各社のエントリーモデル3本の基本情報を見ていきましょう
カクノ | プレピー | ハイエース ネオ | |
---|---|---|---|
メーカー | パイロットコーポレーション | プラチナ万年筆 | セーラー万年筆 |
税込価格 | ¥1,100 | ¥550 | ¥1,210 |
本体カラー | 全11色 (ブルー、レッド、グリーン、ピンク、イエロー、グレー、ソフトピンク、ソフトブルー、ソフトバイオレット、ソフトイエロー、ノンカラー) | 全8色 (クリスタル、ブラック、ブルーブラック、レッド、ピンク、バイオレット、イエロー、グリーン) | 全3色 (ブラック、ブルー、レッド) |
サイズ | 全長 131mm 最大径16.0mm | 全長138mm 最大径13mm | 全長136mm 最大径13.5mm |
重量 | 11g | 13g | 10.6g |
ペン先 | 特殊合金 | ステンレス | ステンレス |
字幅 | EF(極細)、F(細)、M(中) ※一部のカラーはF・Mのみ | EF(極細), F(細), M(中) ※一部のカラーはFのみ | F(細) |
軸・キャップ | リサイクル樹脂 | PC樹脂 | 蓋:アルミ 胴・大先:AS樹脂 |
コンバーター | 使用可 | 使用不可 | 使用可 |
カートリッジ | 使用可 | 使用可(付属品) | 使用可 |



ここからは、それぞれの万年筆の特徴を詳しく見ていくよ!
カクノ(PILOT)の特徴


カクノは2013年にPILOTから発売された万年筆です
初めて使うジュニア世代(小学生)が「楽しく」「正しく」「気軽に」使えることを追求しています
- 全体の形状は鉛筆と同じ六角形で転がりにくい
- 三角形のグリップにより三本の指が自然に正しい位置に収まり、正しい持ち方で筆記ができる
- ペン先には正しい向きが一目で分かるように“えがおのマーク”を施している


デザイン性が高く評価され、2014年にはキッズデザイン賞の審査委員長特別賞受賞と、グッドデザイン賞を受賞しています
プレピー(プラチナ万年筆)の特徴


プレピーは2007年にプラチナ万年筆から発売された万年筆です
色とりどりの透明カラーのボディで、カラフルでポップな外観が印象的です
550円という低価格にもかかわらず性能は他の2本に劣っていません
キャップを閉めた状態で、1年間使わなくてもインクが乾かない「スリップシール機構」を搭載しており、いつでもさらりと書き出すことができます
日本だけではなく世界中で販売され、2024年4月に累計販売1,500万本を達成しました
ハイエース ネオ(セーラー万年筆)の特徴


ハイエース ネオはセーラー万年筆の万年筆であり、
アルミ×樹脂の軽量ボディに、書き味をしっかりと感じるステンレス製ペン先を採用しています
3本の基本情報比較まとめ
カクノ | プレピー | ハイエース ネオ | |
良い点 | ・正しく使うための 工夫が多数 ・カラー種類多い | ・圧倒的低価格 ・カラー種類多い ・スリップシール構造でインク乾きにくい | ・(好みによるが) アルミ製キャップ |
イマイチな点 | (特になし) | ・コンバーターが 使用不可 | ・カラー3色のみ ・字幅が細字のみ |
各社のエントリーモデル万年筆 書き味の比較


カクノ、プレピー、ハイエースネオの細字を用意して書き味を比較しました
個人の感覚によるとこもあるので100%客観的なデータではありませんが、何度も比較を繰り返したためある程度信頼性のある情報にはなっていると思います
①字幅
字幅は、通常の筆圧と強めの筆圧の2パターンで比較をしました
結果は3モデルともほぼ同じ字幅で、差はほとんどありませんでした
いずれの万年筆も筆圧を強くするとペン先がしなって字幅が広くなるため、字幅の変化によって字の表情を出すことも十分可能です
②インクの出の良さ
インクの出についても、3モデルともほとんど差がありませんでした
非常にインクの出がよく、早くペンを走らせてもかすれたりはしませんでした
強いていうならばプレピーが他2本よりも若干インクの出が多いかな、、程度の印象です
③書いた時の感触
書いた時の感触は3つのモデルで異なりました。具体的には
- カクノ … ペン先が紙にひっかかる感触がやや少ない
- プレピー … ペン先が紙にひっかかる感触が少ない
- ハイエース ネオ … ペン先が紙にひっかかる感触がかなり手に伝わる
好みの問題にはなりますが、カクノやプレピーは「すらすら書ける」イメージで、ハイエース ネオは「しっかり書ける」イメージです
日本語を書くのに最適なのは?
こちらの記事では、日本語をきれいに書くために抑えるべきポイントとして、「やわらかいペン先」「細目の字幅」「適度な重量」を挙げました


この観点でいうと、
- 「やわらかいペン先」…カクノ・プレピー・ハイエースネオで大きな違いなし
- 「細目の字幅」 …極細が希望ならカクノかプレピー(ハイエースネオは極細なし)
- 「適度な重量」 …プレピーが最適重量に近い(カクノとハイエースネオはかなり軽い)
となり、価格も最安のプレピーが最もおすすめという結果になります
しかしながら使いやすさは一人ひとりによって異なるので、最終的には試し書きなどをして決めるのがよいですね
まとめ:3本とも1,000円クラスとは思えないクオリティ。迷うなら最安のプレピーをまずは試してみては?
3本を実際に使ってみて、改めてそのクオリティに驚きました
もちろん書き心地を考えれば上には上がいますが、普段使いやペン字を練習するにあたっては全く問題ないレベルです
ガシガシ使う一本として、カクノ・プレピー・ハイエースネオのどれかは持っておきたいですね
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